ご  挨  拶


      公益財団法人鳥取県消防協会 会長 木 山 宗 司  
   
 


 2021(令和3)年度6月3日付で公益財団法人鳥取県消防協会の会長に就任いたしました。
 微力ながら鳥取県消防の発展のため専心努力する所存ですので、よろしくお願い申し上げます。

 当法人は、昭和23年9月に財団法人として設立され、長年にわたり消防団員及び消防職員の活動の支援を行う団体として活動して参りましたが、平成23年11月から「公益財団法人鳥取県消防協会」として消防防災思想の普及啓発、消防団員・消防職員等の活動支援をとおして、地域防災力の充実強化に取り組んでおります。

 消防協会では、公益目的事業として、鳥取県と共催で実施する消防操法大会や消防功労者表彰の他、防火防災啓発事業及び消防関係者等の研修事業などを実施しています。

 また、消防団員及び消防職員の福利厚生のため互助事業と福祉共済事業を充実し、安心して消防活動に取り組める体制の確保に努めています。

 消防団員は、普段はサラリーマンや農業、自営業などの生業を持つ傍ら、「自分たちの地域は自分たちで守る」という郷土愛護と奉仕の精神のもとに、火災現場だけでなく地震や風水雪害等の災害現場にも駆けつけ、避難誘導、人命救助、初期消火活動など、昼夜を問わず救援・救護活動を行う特別職の公務員でもあります。

 多くの消防団員が犠牲となった東日本大震災の教訓を踏まえ、平成25年12月に「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が制定され、消防団が、地域防災力の中核として欠くことのできない存在であると再認識されました。


 
しかし、少子高齢化の影響を受け、鳥取県の消防団員数も平成29年度から5千人を割ってしまい、全国消防団と同様に消防団員の減少化による地域防災力の低下の問題を抱えています。

 そこで、消防団員の確保の一環として、今年4月に「消防団員の処遇等に関する検討会」の中間報告がなされ、消防庁から早急に消防団員の報酬等の改善に向けた取り組みを進めるよう都道府県や市町村に対して提言がなされました。また、多様化する消防団の役割に対応するため、操法訓練をはじめ、訓練の在り方が検討されようとしています。

 協会としては、消防団員の処遇改善と加入促進を支援するとともに、消防団員の安全確保と資質の向上及び、一般住民に対する防火防災思想の普及、啓発を図る研修を引き続き実施したいと思います。

 消防団に加入していただくには、家族のご理解とご協力が欠かせませんが、まずは、イベントなどを通じて消防団の存在や活動を知っていただき、興味を持っていただき、加入を促す必要があります。そのためには、消防団全体のイメージアップや社会全体で消防団を応援していこうという雰囲気をつくっていくことも重要です。

 残念ながら、今年度も新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、昨年同様、各種イベントの中止や一般客を入れない無観客による催しが予想され、直接見たり聞いたり触れ合ったりの機会が奪われる恐れがあります。

 県民の皆様におかれましても、コロナ禍で大変な時期ですが、これまで以上に地域防災の中核となる消防団を応援していただき、消防団活動へのご理解とご支援をお願いします。

 最後になりましたが、消防団員が本来の活動ができるよう一刻も早い新型コロナウイルス感染症の収束を願うとともに、県民の皆様のご健勝、ご多幸をお祈り申し上げまして挨拶といたします。

 令和3年6月吉日